川連漆器とは
川連漆器の歴史
川連漆器の歴史は古く約800年前の鎌倉時代に遡ります。
刀の鞘、弓、鎧など武具の漆塗りから始まったとされ、約400年前の元和から元禄にかけて、川連村を中心に稼業としての椀作りを始めたことが記録されています。
江戸時代に入り、椀・膳・重箱など幅広い漆器がつくられるようになり、産業基盤を大きく築き上げていきました。
明治には新しい技術開発が行われます。
〇昭和51年、国の伝統工芸品に指定されました。
〇平成8年、県の伝統工芸品に指定されました。
丈夫な作りの川連漆器は、普段使いの生活用品として、庶民と地域に密着し発展してきました。
漆器製造の延長として、漆塗り仏壇の製造が40〜50年前から始まり、現在では漆器と塗り仏檀の産地として、全国各地へ出荷しています。
川連漆器の特徴
木材は国産のブナや栃、桂、ケヤキなどを使用し、全て漆塗りで仕上げています。
原木からお椀の形を取る際に横木に取っているので、材料の廃れが少なく、比較的割安な商品となります。
他産地のような見た目の華やかさなどの特徴はありませんが、柿渋と生漆を塗り重ねる「堅地仕上げ」という下地工法が特徴的で、狂いにくく壊れにくいとても丈夫な作りになっています。
「花塗り」と言われる上塗り工法も特徴の1つで、上塗り乾燥後の研磨をせずに仕上げる技法です。
光沢のある柔らかな塗り上りになり、穏やかな気持ちでお使いいただけます。
当店の川連漆器は、産地の人件費が低いことに加え当店の企業努力により、国産漆器としては大変お求めやすい価格帯となっています。
「品質が良くて、安い、普段使いの国産漆器」をお探しの方には川連漆器がおススメです。
漆器の発色、経年変化
漆は塗りあがって乾燥しても、さらに硬化し続けます。
朱色等の色物は、塗りたてが落ち着いた黒っぽい色になり、時間が経つにつれて発色し鮮やかな明るい色になります。
発色の比較写真
このため、しまい込んでおくより日ごろから使用された方が、漆器特有の経年変化を楽しむことができます。
また、箱から出して直射日光を避け、通気性のある場所で保管いただくと更に乾燥・硬化が進み発色もよくなります。
(漆の塗膜は30年間硬化し続けます。)
当店で製造の川連漆器について
当店製品は天然木素地に、天然の本漆を刷毛塗り又は摺り漆仕上げをしたものです。
素地に木粉やプラスチックは使用していません。
下地から漆によって仕上げていますので、人体に有害とされる合成塗料なども使っていません。
天然木のため1つ1つ重さが違ったり、稀に歪みが発生する場合があります。
当店の漆器はそのほとんどが、普段使いの漆器です。
観賞用・飾り物ではない、生活に密着した毎日使える本物の漆器。
漆器は使って初めて価値のあるものになるのです。
※こっちは本物だからいい物、こっちは天然木を使ってないから粗悪品、という考え方ではありません。
別の素地や塗料をつかうことにより、大量生産できる・価格を抑える・製品仕上がりまでの時間短縮、などのメリットがあり、お客様のニーズにもお応えしやすくなっているのが現状です。
漆かぶれについて
塗りの新しい漆器は、肌の弱い方や体調の優れない方が使用した場合、漆によるかぶれが出来る場合があります。
その場合は使用を止め、医師に相談してください。
漆かぶれは時間がたてば自然に治癒し基本的に身体に害はございませんし、痕ものこりません。
漆器についての余談
海外では漆器のことを「JAPAN」と呼びます。
それぐらい、漆器は日本を代表する文化なのです。
漆器離れが進み、食器に限らず量産品を使う生活が当たり前になっている現在、もう1度日本の文化や、和の心、昔ながらの良いものを振り返ってみることも大切なのではないでしょうか。
「良いものを大切に長く使うことで心にゆとりができ、豊かな人生を送れる」ものと信じて、製造現場では毎日漆器作りに励んでいます。